第86話 事故米転売問題でサブプライム問題が分かりやすくなった!?
調べると、これは1993年に合意された、ガット・ウルグアイ・ラウンドによるということです。
日本政府はコメの関税化を避けるために、ミニマム・アクセスといって、輸入しなければならない最低限度額を受け入れたのです。
コメがどんどん輸入されると、価格が下がり、生産者を保護できなくなる為、質を顧みることなく政府自らが年間76.7万トンを輸入する。何か矛盾するような気もします。
そして、政府が輸入したコメの中でカビや農薬で汚染されたものを、工業用使用に限定して三笠フーズという会社に安く卸したのです。三笠フーズは政府との約束を破って焼酎業者やせんべい業者に転売して、利を得ていたという図式です。
汚染米を事故米と称さないというところに農水省の辛さが伝わってきますが、
知らずに三笠フーズから事故米を購入して原料に使った焼酎や食品メーカーは大変です。
事は食の安全問題ですから、ある意味被害者であるはずの卸先をも公表しないわけにはいかないでしょう。知らずに購入した側は、下手をすると倒産の危機もあり得るダメージです。増してや、過去にそんなことを知らずに食していた消費者はどうなるのでしょうか?
さて、この事件がどのように展開するのかは今後の報道を待つだけですが、これとよく似た図式を最近見聞きしていることに気が付きました。
それは、サブプライム問題です。
三笠フーズの事件は、図らずもサブプライム問題を金融しろうとにも分かりやすく、ビジュアルにしてくれたと思います。
農薬とカビに汚染された米は、サブプライム問題の場合は不良債権化した住宅ローンです。この不良債権が世界中の債権に少しずつ混ぜ込まれ、一見上質な金融商品として売られていたのです。
テレビに映っていたある焼酎メーカーの社長が、事故米をほんの僅か原料に使ってしまった為に、大きなタンクごと廃棄しなければと嘆いていた姿が、そのまま世界の金融資産の現状に重なります。
当人が知らないところでいろいろな仕掛けがなされていて、それが、実態としてどうなっているのかはもはや誰にも知ることができません。分からないが故に疑心暗鬼が広がります。
どちらの話も、今後どのように収束するのか分かりませんが、私たちの周りには今やこの手の話がいっぱいあるのだと考えていた方が良いでしょう。
世界が皆リンクしてしまった現代、ちょっとした邪(よこし)まな気持ちや不正が、見えるところの人にも見えない世界の人にも計り知れない迷惑を掛けてしまう危険性があることをいつも自覚しなくてはなりません。
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