第60話 大富豪の寄付
数年前に世界一の大富豪ビル・ゲイツ氏が5兆円を越える財産の大半を慈善事業に寄付するというニュースを聞いて驚きました。そして今度は、世界第二位の資産家で、有名な投資家ウォーレン・バフェット氏が約4兆3000億円を慈善団体に寄付するそうです。
寄付する対象は5つの慈善団体で、その中でも、ビル・ゲイツ夫妻が創設した『ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金』が約3兆5000億円と大半を占めます。
世界の一位と二位の大富豪が、競争のビジネス社会からところを移し、慈善の世界では大共演ということになります。
両氏とも、現代資本主義が何処までの成功を可能にするかを、身をもって示してきたサクセスドリームの極みのような人達です。
ビジネスへのあくなき挑戦と、資産の極大化を目標に、並大抵ではない才気と努力が注がれてきたことでしょう。
それが人生の後半に入ると、そこまでに築いてきた使い切れない資産をどう社会還元するかを大きな仕事(使命)にしてそのことに専念するとのこと。
誰でも死んだ後にも何かが残ればと願うものですが、
おそらく、一般的には、大きな成功や権力を手にした人ほど、そうした思いも強くなるものなのでしょう。
お墓には持っていけないお金よりも、むしろ名誉や名声を残したいと願うのも無理のないことです。
だだ、ご両人の場合は、自分の名誉や名声だけそうしているとは思えません。
確かに、巷では宗教的な価値観とか、税制上の違いとか、動機や理由をあれこれ取りざたしますが、全力で稼いだ財産の大方を寄付するというのは、それが例え少額であっても、動機が不純ならばなかなかできることではありません。
日本は、相続税で取り上げて、お上が所得再分配をするしくみです。
アメリカは、努力して稼ぐのも自分(当然社会や人々のおかげという気持ちは大切にしているでしょうが)寄付する先も自分の意思で、というのが社会の認識なのでしょうか。
いずれのしくみであっても、人は生まれてくるとき裸なら、死ぬときも何も持っていけない。というのは世界共通です。
であれば、人生という限られた時間の中で、全力で作り上げそして還元するという、自己完結、自己達成を目指すことは立派な美学だと評価できます。
『お金は稼いで半人前、使って一人前』とよく言われますが、多くの人が前の部分にだけにとらわれ過ぎているのかも?
もっとも、そういう私も使えるお金稼ぎで未だもって悪戦苦闘しているのですが……。
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