第48話 人情はとこしえに
先日、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』を観てきました。
そこには、昭和30年代初め、戦後の復興が漸くひと段楽した東京の光景と
まだ貧しく今ほど物も十分にないのに、それでも夢があり明日を信じることが
出来ていた時代の人々が映し出されていました。
笑あり涙ありとなかなかの秀作だと思います。
私が物心付いたのは映画よりも少し後の30年代後半から40年代前半です。
その当時でも、町内には広場やバラックのような建物がまだ随所に見られました。
そして、その広場が次々にビルの建設用地になり、バラックや古びた家々は新築に変わっていきました。当時の私にとって街はあたかも生き物のように日に日に姿を変え成長する存在でした。丁度映画の中で東京タワーが見る見る建ち上がり、完成する様に……。
あしたは今日より良くなると皆が信じて疑わなかった時代がそこにありました。
おそらく現代よりも、貧しい人や苦労を負った人は多かったことでしょうが、社会全体にそれを跳ね飛ばすエネルギーが満ちていました。
経済的にも豊かになり、自動車や電化製品など新しく便利な物が次々に売り出されて、人々のライフスタイルを激変させていきました。
そして、なによりも子供や若者が溢れていた社会は、若々しく又みずみずしかったのも事実です。
こうした環境の中で、人々が互いを必要とし合い、支えあっていた度合いもまた高かったようです。
映画の中では、そうした情景が大変上手に描かれていて、ほのぼのとした気分に浸ることができました。
お互いを思いやる気持ち。そして、ちょっとお節介だけれども、人の事が放っておけない
という気性は、日本人の体に流れるDNAです。そしてある人々にとってはそうした生き方が「美学」でもありました。
さて、ここに来て、日本経済も少しは上方に向かいつつあるようです。
全体的には年は取りましたが、ある意味、50年前と同じスタート地点に立っているのかも知れません。
さすがに当時ほど無邪気に明日を信じることはできなくとも、将来が全てにわたって悲観的でないことも分かってきました。
そんな中、日本人が昔から持ち続けてきた、共同体の意識、そして個々の心に流れる人情をもう一度蘇らせることが大切だと思うのです。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/56554/7764242
この記事へのトラックバック一覧です: 第48話 人情はとこしえに:
» 「ALWAYS 三丁目の夕日」 [おもしろスポット日記から]
「ALWAYS 三丁目の夕日」が大ヒットだ。原作者の西岸良平さんは、このテーマにず〜とこだわっている。昭和22年生まれ(立教大卒)なので、東京タワーの建設中は、8〜9歳なので、本当に詳しいという訳でなく、当時の雰囲気や人情の残る下町を描きたかったのでしょう。その物語の雰囲気は、団塊の世代や昭和40年代生まれの人たちのあいだにも、郷愁を呼ぶ懐かしさだ。
では30年代はどんな時代だったのでしょう。
昭和33年(1... 続きを読む
受信: Dec 21, 2005 7:36:49 PM







コメント